エンディングノートが遺品整理を助ける!家族の負担を減らす書き方のコツ

遺品整理は、それを行うことで故人との別れに対して心の整理がつけられ、新たな生活への一歩を踏み出すために大切な過程の一つになるでしょう。でも同時に、遺された家族にとって大きな負担にもなります。そんなとき、エンディングノートの存在が家族の助けとなります。故人の想いや希望が詰まったこのノートは、遺品整理の指針となり、迷いを解消してくれるのです。では、エンディングノートはどのように遺品整理に役立つのでしょうか?また、どんなことを書いておけば良いのでしょうか?本記事では、エンディングノートの基本から、遺品整理に活かすコツまでをご紹介します。

エンディングノートとは?

エンディングノートは、自分の人生を振り返り、その最後に向けて大切な情報や想いを記録するノートです。万が一のときに備えて、家族や親しい人に伝えたいことを書き留めておくものです。法的な効力はありませんが、自分の希望を残すことができる気軽な終活ツールとして注目されています。
エンディングノートには決まった形式がなく、市販のものを使うか、普通のノートに自由に書くこともできます。自分の人生を振り返り、これからの生き方を考えるきっかけにもなります。

エンディングノートは自分と家族のためにおすすめ

エンディングノートを書くことは、自分自身のためでもあり、家族のためでもあります。自分の人生を整理し、やり残したことはないか確認する機会になります。また、もしものときに家族が困らないよう、必要な情報をまとめておくことができます。
例えば、財産や保険の情報、医療や介護の希望など、普段話題にしづらいことも書き残せますし、家族への感謝の気持ちを伝える場にもなり、エンディングノートがあることで遺された家族の不安や負担を軽減できるでしょう。

エンディングノートと遺言書の違い

エンディングノートと遺言書は似ているようで、大きな違いがあります。それは、法的な効力の有無です。遺言書は法的な効力を持ち、財産分与などの内容が法的に保証されます。一方、エンディングノートには法的な効力はなく、あくまで自分の希望を記したものです。
また、遺言書は主に財産分与に関する内容が中心ですが、エンディングノートはより幅広い内容を自由に書くことができます。介護や葬儀の希望、大事な想い人へのメッセージなど、様々な内容を盛り込めます。エンディングノートは気軽に書き始められ、何度でも書き直せる点も特徴です。

エンディングノートに書いておきたいこと

エンディングノートには、様々な情報を記録しておくと良いでしょう。家族や親しい人が必要とする情報や、自分の想いを整理して書き留めておくことが大切です。ここでは、エンディングノートに書いておきたい主な項目について紹介します。

個人情報にまつわること

まず基本的な個人情報としての氏名、生年月日、住所、本籍地などの基本情報に加え、マイナンバーや健康保険証番号なども書いておくと便利です。また、パソコンやスマートフォン、SNSなどのIDやパスワードも忘れずに記録しておきましょう。
これらの情報は、万が一のときに家族が各種手続きをする際に必要となります。普段から整理しておくことで、いざというときの家族の負担を減らすことができます。ただし、個人情報の管理には十分注意し、安全な場所に保管することを忘れずに。

資産にまつわること

次に、自分の資産に関する情報を記録しておきましょう。預貯金や不動産、株式などの金融資産、生命保険の情報などを具体的に書き留めておくことが大切です。口座番号や保険証券の保管場所なども忘れずに記入しておくと良いでしょう。
また、借金やローンなどの負債についても正直に書いておく必要があります。これらの情報は相続の際に重要となるため、できるだけ詳しく記録しておきましょう。

連絡先・人間関係にまつわること

自分が亡くなったときに連絡してほしい人の情報も、エンディングノートに記しておくと良いでしょう。親族や親しい友人の連絡先を書き留めておくことで、いざというときに家族が速やかに連絡を入れることができます。
また、日頃からお世話になっている人や、感謝の気持ちを伝えたい人のリストを作っておくのも良いアイデアです。葬儀に呼びたい人や、形見分けをしたい人なども記しておくと家族の助けになるでしょうし、思いを伝えたい人へ向けた最後のメッセージを書き添えるのもおすすめです。

死を迎えるまでの希望

自分が病気になったり、介護が必要になったりしたときの希望も、エンディングノートに書いておくと良いでしょう。延命治療の希望や、最後は住み慣れた家に帰って介護を受けたい等、自分の想いを明示しておくことで、家族の判断の助けになります。
また、かかりつけの病院や、常用している薬の情報なども記録しておくと便利ですし、アレルギーの有無や、緊急時の対応方法なども書いておくと、いざというときに役立ちます。自分の健康状態や医療に関する希望を詳しく記しておくことで、家族の不安を軽減できるでしょう。

死を迎えた後の希望

最後に、自分が亡くなった後の希望についても書いておきましょう。葬儀の形式や規模、お墓や納骨の方法など、具体的な希望があれば記しておくと良いでしょう。家族に負担をかけたくない場合は、簡素な葬儀を希望することもできます。
また、遺品の処分方法や、大切にしていたものを誰に譲りたいかなども書いておくと、遺品整理の際に役立ちます。自分の想いを家族に伝えることで、後々のトラブルを防ぐこともできるでしょう。ペットを飼っている場合は、その後のケアについても希望を記しておくことをおすすめします。

エンディングノートがあると遺品整理でどう役立つ?

エンディングノートは、故人の想いや希望が記されているため、遺品の取り扱いに迷ったときの大きな助け(指針)となります。ここでは、エンディングノートが遺品整理にどのように役立つのか、具体的に見ていきましょう。

遺品整理でより故人の意思を反映できる

エンディングノートに書かれている、故人が大切にしていたものや、誰かに譲りたいと思っていたものの情報があれば、遺品整理の際に故人の想いを尊重しながら作業を進めることができます。
例えば、「この指輪は娘に譲りたい」「この本は図書館に寄付してほしい」といった具体的な希望があれば、それに沿って遺品を処分することができます。また、「思い出の品は家族で分けてほしい」というような些細な希望もエンディングノートに書かれていると、遺品整理の方針を決める際の参考になるでしょう。

生前整理も順序だてて進めることができる

エンディングノートは、生前整理を進める際にも役立ちます。自分の持ち物を整理し、必要なものと不要なものを区別する際の指針となるからです。エンディングノートに書かれた情報を元に、計画的に整理を進めることができます。
例えば、「大切にしている思い出の品」のリストを作っておけば、それらを優先的に整理し保管することができます。また、「処分してもよいもの」のリストがあれば、迷わず処分することができるでしょう。このように、エンディングノートを活用することで、効率的かつ自分の想いに沿った生前整理が可能になります。

まとめ

エンディングノートは、自分の人生を振り返り、大切な情報や想いを記録するための有効なツールです。基本的な個人情報から資産、人間関係、そして最期の希望まで、幅広い内容を自由に書き残すことができます。このノートは、自分自身のためでもあり、遺される家族のためでもあります。
特に遺品整理の場面では、エンディングノートの存在が大きな助けとなります。故人の想いや希望を知ることができるため、遺品の取り扱いに迷ったときの指針となるからです。また、生前整理を進める際にも、エンディングノートは役立ちます。
エンディングノートの用意を進めておくことで、自分の人生を整理し、家族との絆を深めることができるでしょう。まだ書いていない方は、この機会に少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。家族と一緒に考えながら書くのも良いかもしれません。エンディングノートを通じて、より充実した人生の締めくくりを迎えられることを願っています。

この記事を書いた人
この記この記事を書いた人

相沢 元

職業:株式会社Ash 代表取締役

認定:遺品整理士認定協会認定 優良事業所、遺品整理士認定協会認定 遺品整理士

遺品整理、生前整理、特殊清掃の業務に約10年従事し、ここまで関わった現場経験は1000件を超えます。相続など終活に関連する総合的アドバイザーとしても活動しています。

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