孤独死の発見から葬儀の流れ

遺品整理や特殊清掃も必要です

警察から、親族が孤独死をしていると、連絡があった。 最近連絡がないと思い、遠方から訪ねてみたら、部屋の中で倒れていた。 ニュースなどではよく耳にする話ですが、この記事を読まれている方は、いざご自分がこのような立場になり気が動転していることと思います。   高齢化の進展や生活スタイルの変化に伴い、一人暮らしの方が増えています。 それにともない、孤独死も増加しています。 件数で見ると、この15年間で2.6倍です。 また孤独死の原因は病死だけではないため、高齢者の問題とは限りません。 孤独死の30%以上は、65歳未満という統計もあります。   孤独死を発見したり、警察から連絡があったりした場合、どのような対応をしなければならないでしょうか。 この記事では、発見から葬儀にいたるまでの流れや、それにともない必要となる特殊清掃や遺品整理について解説しています。    

孤独死を発見した場合の対応について

家賃を滞納しているので部屋を訪れた、近隣住民から悪臭の苦情があったので注意しに言った、親族が久しぶりに訪れてみたら亡くなっていた。 孤独死が発見されるきっかけは、さまざまです。 いざ発見した場合、どのような対応が必要でしょうか。  

死亡が確認できない場合

倒れている、声をかけても返答がないなどの状況では、まず救急車を呼びましょう。 救急隊が生死の確認をします。 生存していれば病院の搬送となり、死亡している場合には、救急隊が警察を呼びます。 警察は、現場保全のため、規制線を張ります。 警察の指示に従いましょう。  

明らかに死亡している場合

部屋の惨状やその人の体の腐敗が始まっているなど、亡くなっていることが明らかな場合、直接警察を呼びます。  

孤独死の発見から葬儀まで

ここでは、孤独死の発見から、葬儀ができる状態になるまでの流れについて説明いたします。   

現場検証から死体検案書の発行

警察が到着すると、現場検証を行います。 現場の状況を記録し、事件性の有無について調べます。 現場検証の結果、検視が行われることもあります。 検視により事件性がないと判断された場合、ご遺体は医師に引き渡されます。 医師は、死因を判断し、警察の検視記録をもとに、死体検案書を作成します。 事件性がある場合、また死因が不明の場合には、医師による解剖が行われます。 発見までに時間が経ってしまった孤独死では、遺体の腐敗が激しく、身元の確認や死因の特定が難しい場合があります。 そのようなときにはDNA鑑定が行われます。 DNA鑑定が行われると、死体検案書が発行されます。  

遺体の引き渡しまでの手続き

このように、遺体が発見され警察による作業が終わるまで、長い場合にはひと月以上かかることが予想されます。 死体検案書は、通常病院でなくなったときに発行される死亡診断書と同じものです。 死体検案書があることで、自治体から火葬証明書が発行されます。 死亡検案書は、さまざまな手続きで提出します。 紛失しないよう注意し、事前にコピーを多めに取っておきましょう。   遺族が遺体を引き取る場合には、警察署に出向き、死亡時の状況説明を受けます。 孤独死の多くの遺体が、この時点で腐敗していたり傷んでいます。 そのため、警察からの引取り後には、すみやかに火葬できるように準備しておく必要があります。  

葬儀の準備は早めに

このように遺体の引き渡しまでに時間がかかることもあります。 葬儀を行うのか、火葬だけで済ませるのかなど、準備はできるだけ早い時期に始めるのがよいです。 葬儀社によっては、孤独死の葬儀を受け付けていない会社もあります。 問い合わせの際に、孤独死であることを伝えておきましょう。   ちなみに火葬は、通常故人の住民票がある地域で行われます。 遠方のご実家に搬送する場合には、搬送費用も見込まなければなりません。 衛生面からも搬送するまでの時間がない場合も少なくありません。 葬儀社とよく相談してみましょう。  

孤独死の現場を片付ける

遺体が救急隊や警察により搬送されたあと、その部屋をどう片付けるのかについて説明します。 亡くなった方の部屋を片付けるためには、遺品整理が必要です。 また、発見が遅れた孤独死の現場の場合、遺体の腐敗臭や体液などにより部屋が汚れているため、特殊清掃が必要です。 これら2つの業務は、密接に結びついています。 特殊清掃のために、部屋にある家具や遺品を搬出する必要があるためです。  

遺品整理について

遺品整理を、業者に依頼せず、ご遺族などで行うことはおすすめできません。 遺品整理は、特殊清掃の業務の流れの中で行われることが多いです。 そのため、特殊清掃業者を依頼する際には、遺品整理も同時に行なってくれる会社を選ぶとよいでしょう。 遺品整理とは、故人の持ち物を「遺品」と「処分品」に分類する作業を言います。 しかし、孤独死現場の場合、遺品の多くは処分品とせざるをえません。 その理由は、部屋にあった物のほとんどに死体の腐敗臭が染み付いているためです。 このあと特殊清掃で説明しますように、死体の腐敗臭は除去が大変難しいものです。 孤独死現場での遺品整理は、腐敗や細菌による感染症により、作業をする人に健康被害が及ぶことも少なくありません。 通常の遺品整理でも、遺品とするかどうかの判断はご遺族でも難しく、かなりの時間と労力が必要です。 孤独死現場の遺品整理は、かならず業者に依頼してください。   部屋にある物理的な物の整理や処分だけが遺品整理ではありません。 水道、電気、ガス、インターネット回線など、個人が契約していたものすべてを解約しなければなりません。 クレジットカードや携帯電話なども、契約解除の手続きが必要です。 これらの作業は、ご遺族でなさるのが良いでしょう。   対応が難しい場所は、弊社にて連携行政書士や弁護士などの紹介が可能ですので、ご相談ください。  

特殊清掃の必要性

発見が遅れ、遺体の腐敗が進んでいる孤独死の場合、腐敗臭が部屋に充満して床材や家具、壁紙などにも染みついています。 また、ハエなどの害虫が大量発生しています。 部屋の清掃というとハウスクリーニングを思い出す方も少なくないと思います。 しかし、ハウスクリーニングでできることは、体液や血液を表面上拭き取ることぐらいです。 体液や血液が染み出している場合には、感染症の危険性もあります。 またそれらは、床下に染み出してしまっていることもあり、作業は簡単ではないのです。   そのため、部屋に残された腐敗臭や細菌をしっかりと取り除くには、特別な薬剤や機材を用いて、感染症のリスクに備えながら、根源から除去してくれる特殊清掃業者に依頼しなければなりません。 賃貸物件の場合、まずは大家さんや住宅管理会社に対応方法を相談してみましょう。   特殊清掃も、近隣に悪臭の被害が及ぶこともあり、早めの対応が必要です。 警察の規制線が解かれ、入室許可が出た時点で特殊清掃ができるよう、準備をしたいものです。  

孤独死現場の遺品整理・特殊清掃は、「遺品のエンドロール」にご用命ください

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この記事を書いた人
この記この記事を書いた人

相沢 元

職業:株式会社Ash 代表取締役

認定:遺品整理士認定協会認定 優良事業所、遺品整理士認定協会認定 遺品整理士

遺品整理、生前整理、特殊清掃の業務に約10年従事し、ここまで関わった現場経験は1000件を超えます。相続など終活に関連する総合的アドバイザーとしても活動しています。

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