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遺品整理業者との増えるトラブル
現在、日本国内で登録されている遺品整理業者は2万を超えるとされています。
協会に加盟する業者数は15年2560社、20年1万541社、21年9月現在で1万2541社となり、この数年で約5倍に増えた。
17年に協会が遺品整理のポータルサイト「みんなの遺品整理」を立ち上げ、遺品整理士在籍の業者のみが登録している。
但し、遺品整理士は民間資格で、資格がなくてもビジネスはできる。
また、遺品整理士認定協会以外にも複数の協会があり、協会に所属していない業者も多く、実際に遺品整理サービスに従事する企業は2万社以上いると思われる。
しかしながら、業者が急増したことにより、依頼者とのトラブルも報告されるようになってきました。
その一つの理由が遺品整理業には、基本的に必要な資格はありません。
そのため、遺品整理に必要な知識や技術がなくても簡単に始めることができてしまうのです。
本来遺品を正しく処理するには、廃棄物処理料金がかかります。
しかし、業者の中には、儲けを出すために不法投棄を行ったり、遺品整理の料金を釣り上げていくような悪徳業者も存在しているのです。
もっとも多い悪徳業者のトラブルは、料金の釣り上げ、窃盗行為、不法投棄です。
遺品整理サービスの認知度が上がると同時に、依頼者と業者の間で起きるトラブルが増えています。
モラルのない悪質な業者による被害の報告や利用者からの相談が消費者センターなどに寄せられています。
2010年頃から増え始めたとされる遺品整理サービス関連の相談は、国民生活センターからの発表されたデータよれば、2013年~2018年の6年間で全国から推計522件にもなります。
実際に起きたトラブルの事例や、どのようなことに気を付ければ悪徳業者による不正行為を回避することが可能か対策をご紹介いたします。
悪徳業者の特徴
遺品整理の悪徳業者には、以下のような特徴があります。
- 直接訪問せず、電話やメールだけで見積もりをとる
- 見積書と実際の請求金額がまったく違う
- トラックで巡回しながら無料回収を宣伝している
- 遺族の立ち合いを求めず、業者だけで作業しようとする
- ホームページなどで業者の情報を公開していない
トラブル例
遺品整理の悪徳業者を利用したことで実際に起きたトラブル例をご紹介します。
- 追加料金が発生し、高額な費用をだまし取られた
- 遺族の目の前で遺品を雑に扱われた
- 回収した遺品を不法投棄された
- 「無料回収」を宣伝していたのに高額な料金を請求された
- 見積もり内容に納得できず断ろうとしたら脅された
- 作業中に貴金属や金品を盗まれた確認せずに形見や権利書を処分された
見積もりを取る際の注意点
訪問しないで電話やメールのみで本見積もりを出す
遺品整理を業者にお願いする上で確実にやらなければならないのは、現場に訪問してもらっての見積もりです。
電話やメールでの対応はよいか
見積もりをとる際は、見積書の内容だけでなく業者の対応もチェックも重要になります。
見積書や名刺に所在地・連絡先などが明記されているか
許可番号や銀行口座から、実在する会社であるかを確認しましょう。
料金明細
基本料金は、1Kなら2名、3LDKなら4~5名などのように、作業員の人数によって異なります。
家財リストと要望
家財リストの項目には、家財の数や整理方法が記載されています。整理方法は、処分や買取り、配送などの内容を確認しましょう。
処分する不用品の中に家電や粗大ゴミがある場合は、リサイクル費用や処分料が発生します。
また、仏壇や人形などの供養が必要なものは、要望欄に記載されます。
オプションの有無
業者によっては、遺品の供養やハウスクリーニングなどをオプションメニューとして提供している場合があります。
オプションを利用する場合は、サービス内容や料金の詳細がオプション欄に記載されているかを確認しましょう。
責任者印があるか
信頼できる業者であれば、作業担当者の責任者の所在を明確にするため、必ず責任者印が押印されています。
また、責任者印があれば、業者に対する信頼度が高まるだけでなく、見積もりの依頼後に依頼内容を変更したい場合でもスムーズに相談できます。
追加オプションの内容説明があるか
業者から追加オプションに関する内容の説明があるかどうかも、業者を見極める際の重要なポイントです。
具体的なオプション内容や料金の説明がなかった場合は、作業後に高額な料金の支払いを求められる可能性があります。
とくに、料金に関する内容で不明点や気になることがある場合は、依頼前に必ず確認しておきましょう。
追加オプションの内容説明があるか
しつこく電話をしてくる業者はもちろん、依頼をしていない業者が自宅に訪問セールスにくる場合にも注意が必要です。
安さだけで決めない
見積もりの安さだけで業者を決めるのは非常に危険です。
見積書や契約書は必須!不明点や不安は事前に解決する
遺品整理サービスの契約は電話やメールのみで取り交わすのではなく、必ず作業内容や費用、解約やトラブルに関する注意事項などを見積書や契約書で明確にしてもらい、詳細まで慎重に確認した上で依頼するようにしましょう。
不法投棄
不法投棄とは廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)を守らず、決められた処分場以外に廃棄物を捨てることであり、不法投棄は廃棄物処理法違反という犯罪であるということです。
法人が不法投棄をした場合の罰則と罰金
法人(会社)が不法投棄をすると3億円以下の罰金が科せられます。
依頼した業者が不法投棄をした場合の罰則と罰金
もし業者が無許可業者であることを知った上で依頼していた場合は、懲役5年以下か1000万円以下の罰金または併科となります。
現金・貴金属・貴重品が業者に盗まれる
業者とのトラブルでもっとも悪質なのが、作業中に金品を盗まれるということです。
結果的に、誰も部屋に入らないまま業者に頼むことが多く貴重品がどこに置いてあるのか、まったく知らないまま業者を呼ぶことになってしまいます。
特殊清掃の現場で大金を見つけることはよくある
遺品整理や特殊清掃をしていて、数百万円、数千万円の現金と金塊が出てきたケースも報告されています。
・タンスの引き出し
タンスで現金を保管することは昔から一般的です。 故人が生前、泥棒被害にあわないように衣類に紛れ込ませている場合もあります。
・衣類のポケット、ハンドバッグ
よく着ていた衣服のポケットやバッグに現金を入れっぱなしの場合があります。
・仏壇の引き出し
貴重品を仏さまに守ってもらおうと、仏壇にもよく保管されています。
・ヘソクリの隠し場所
書籍の間や、写真の間、電子機器の内部スペースなど、意外な場所に現金が隠されている場合があります。
・キッチン
故人が主婦の場合は、食器棚や引き出しなどに現金が保管されている場合があります。
・布団の下
病気で伏せていた場合や高齢者の場合は、布団の下に現金を保管している場合があります。
実際に起きた遺品整理の悪徳業者の事件
遺品整理で「タンス預金」1100万円盗む…「最低限のモラルに抵触」と有罪判決
遺品整理作業中に見つけた「タンス預金」を盗んだとして、窃盗罪に問われた島根県大田市大田町の被告の男(41)の判決が4日、地裁であり、畑口泰成裁判官は「遺品整理業における最低限のモラルに抵触する行為で悪質」として、懲役2年6月、執行猶予5年(求刑・懲役2年6月)を言い渡した。
判決などによると、男は、同市仁摩町の被告の男(30)(窃盗罪で公判中)と共謀。昨年4月、東京都内の男性が所有する大田市内の空き家で、男性の母親の遺品整理作業中に現金約1100万円を盗んだ。
遺品整理業者のトラブルまとめ
この記事を読んで遺品整理業者を利用する際は、悪徳業者もいるので注意して選ぶこと、遺品整理にトラブルはつきものだと心構えをして親族同士で必ず話し合うことが重要なことはご理解頂けたと思います。
遺品整理を業者や親族に依頼する場合は、盗まれやすい遺品や場所をおさえ、対策をとっておけば、窃盗被害にあう確率が下げられます。
また、業者を選ぶ時にも、遺品整理士の資格者が在籍しているかどうかや、必要な許可をもっているかどうかの確認すべきポイントです。
故人が残してくれた大切な遺品ですので、窃盗被害にあわないように、十分に対策をしてから遺品整理を依頼するようにしましょう。
遺品整理士のように故人の遺した遺品は、大切に仕分け、供養の心をもって管理しましょう。
業者に全ての作業を任せるのではなく、大事な遺品や確実に捨ててはいけない遺品は自分たちで事前に遺品整理しておきましょう。
現金や通帳のほかにも「形見分けするもの」は、確実に自分たちで遺品整理すると安心できます。
大事なものだけ先に回収するだけでも、窃盗トラブルを回避しやすくなります。
遺品整理前の現場を写真や動画に収めておく 業者の遺品整理中に立ち合いができない場合は現場の状況を確認できません。
シンプルな確認方法として有効なのが事前に現場の様子を写真や動画に納めておく対策です。
盗まれやすい場所は写真や動画に残しておくとあとで証拠として残せます。
そのほかにも、物が壊れたり建物が破損したりするケースもあるため、事前に写真や動画で様子を残しておけば遺品整理後に業者に対して申し立てもできます。
身内に遺品整理のお手伝いを頼みづらく、業者にも不安を抱いているのであれば、お気軽にご相談ください。
遺品のエンドロールでは未然にトラブルを防ぐよう努めています。
お客様を第一に考えた遺品整理をさせていただきますので、何かご不安なことやお悩みがありましたらお気兼ねなくご連絡ください。